ハゲで鬱で無職ですけど婚活してます

全頭脱毛症・鬱病・無職の3重苦をかかえて婚活をしている女のブログです

      

工藤さん、五十嵐さん⑤

   

      

23時を過ぎたので、いよいよお店を出ることになりました。

レジの前で、私は支払いのために一旦立ち止まりましたが、五十嵐さんは「大丈夫だから。」と言い、まっすぐ出口へ向かって行きました。
どうやら、お会計は既に五十嵐さんが済ませてくれていたようなのです。

紙幣7枚を持つ手

全くそんな素振りを感じなかったので、「いつの間に!?」と驚きました。

「え!?私もお支払いしますよ。おいくらですか?」
「いいんですよ。気にしないで。」
「でも、悪いです…。」
「いいから。いいから。(笑)」
「すみません。ごちそうさまです。」

思いがけず、ごちそうになってしまいました。
こういう心遣いは、やはりとても嬉しいです。

「ここが予約したホテルなんだけど、あっちの信号の向こうで合ってるかな?」
とネットか何かの予約フォームをプリントした紙を見せてくれながら、五十嵐さんは言いました。

「そうですね…。たぶん合ってると思いますよ。」
「そっか。エリコさんは電車だから反対方向だもんね。じゃあ、ここで…。」
「あ、はい。そうですね。じゃあ…。」

そうしてお店の前でお別れしました。
私はなんとなく、その場をすぐに立ち去ることができなくて、五十嵐さんの後ろ姿を見えなくなるまで見送りました。

夜の交差点

今日の五十嵐さんとの食事は、私にとって一体なんだったのか…。
ただの、工藤さんとの繋がりを切らさないためのものだったのか。
それとも、五十嵐さんを本人を、より知るためのものだったのか。

そもそも自分はどういうつもりで、ここに来たのか。

気持ちは相変わらず、ぶれぶれでした。

ただ、私はこの時、まだチャンスがあると思っていたのですよね。

五十嵐さんとこれからもメールが続き、また今日のように再び会うチャンスがあると。
五十嵐さんと、今後も少しづつ関係が続き、あわよくば恋愛に発展するチャンスがあるかもしれないと。

だって、五十嵐さんはこうやって私に会いにきてくれた。
1ヶ月以上メールをしてくれて、ホテルを予約してまで、会う時間を作ってくれた。

最初は工藤さんへの義理で?と思ったけど、でも違うかもしれない。
私の病気のことはさておき、表面的にはお互い好印象を持っているように思う。

工藤さんのことは少しずつ気持ちに折り合いをつけて、五十嵐さんに向かっていければいいな。

そう心のどこかで、都合よく、甘く考えていたように思います。

私は、1年間婚活で色んな男性と面会と食事を重ね、初期の頃よりは多少は場慣れしてきていました。

しかしそれと同時に、男性に対する謙虚さ、一期一会の気持ちを失ってしまっていたのかもしれません。

     

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